こんにちは!
ちー(しんたに)と申します。
2023/8/27の社会保険労務士試験に4年目にして合格しましたので体験記としてご報告致します。
独学で目指す人はあまりいないと思うので、今回は「こんな勉強法でもOK!」という少々邪道気味な勉強法を取り上げたいと思います。
素直に真似すると危ないところがあるかもしれませんが、もし自分と同じような弱点をお持ちでしたら克服方法の参考程度でお読み頂ければ幸いです。
今となっては…感がありますが、本業のSEからのキャリアチェンジも視野に含めて勉強を始めました。
ですが、最初は資格が取れればいいなという軽い気持ちでのスタートでした。そもそものきっかけは、裁判の傍聴に初めて行った時、単純にカッコいい!と思って、法律に興味を持ったのがスタートです笑その中で今からキャリアチェンジするなら、という視点で選んだのが社労士でした。
4年勉強したにも関わらず、特に択一は見た事がない問題が多く実は全く手応えがありませんでした。また、社労士試験、合格する人としない人の違いが分からないというのが正直な感想です。
東京自習会に参加して、同じ社労士の勉強仲間が沢山できたのですが、私よりも知識豊富で是非相談してみたい!いい社労士さんになりそう!という方々と一緒に何年も勉強を続けてきたため、時間のかかる恐ろしい試験だと思っています…
何よりも「諦めないこと」です!
4年目に突入し、社労士試験にはうんざりしていた事もあり5月まではほぼ手をつけていない状況だったので、正直今年の受験申し込みを躊躇うくらいでした。始めたら始めたで本気になり、また今年の夏もメンタルを病みながら勉強漬けになる事が目に見えていたからですが、そこでふと思い出したのが昨夏に東京自習会の社労士サークルで「来年も一緒に頑張ろうよ!」と声をかけてくれた仲間たちの言葉でした。
辛いのは自分一人だけではないし、合格できなくても自習会の仲間たちとの繋がりや経験という得られるものもある、何より自習会に所属しておきながら今更辞めましたなんて言えない!という諦められない状況に自分を追い込めた事が合格の秘訣です。
ここでは独学ならではの邪道な勉強方法をまとめました。良い子はマネしないよう注意です!よく言われているけど、それ程力を入れなかった(入れられなかった)内容を取り上げてみました。
<過去問はやらない、教科書は毎年買い替えない、サブテキストとしての判例、縦断等は買わない(メイン教科書での基礎学習を重視)、6月から勉強開始、まとめ>
・邪道①:過去問はやらない(ただし4年目のみ)
過去問が大の苦手です…今までに解いた過去問は約10年分2周程度(5年分の過去問集+過去問ランド)、4年目は全く手をつけず予想問題を2年分解いたのみでした。試験本番はまだしも、日常であの量の問題をまとめて解く&答え合わせ(1年分で数ヶ月かかることも…)が自分には無理でしたので、以下の対策を行いました。
→対策①:短文化・情報一元化で乗り切る
→対策②:予想問題を解く
①については「7.具体的な勉強方法」に記載しましたので、このまま読み進めてください。
②予想問題を解く
4年目に過去問を解かなかった理由は既に覚えてしまっていたから…ではなく、直前期に解けない事によるメンタルの低下を防ぐためでした。
過去問の大切さは重々承知なのですが、過去問の答え自体は既に教科書に転記済みで頭に入っているはず(実際は…)という想定で、見たことのない初見の問題に対する感覚を失わないために予想問題を直前期の学習に取り入れました。本番の問題も「ほとんど全部初見!手応えなし」というのが正直な感想でしたので、間違ってもいなかったのかなと思います。
あとは、人を落とす為の社労士試験、流石に過去と全く同じになる答えは出さないだろうから、プロのヤマカンを信じてみようかと、最近問われていない部分の知識の抜け落ちを防ぎたい、という気持ちで採用しました。
・邪道②:教科書は毎年買い替えない
ご存知の通り、毎年法改正がありますので普通は買い換えを推奨されると思うのですが、自分は4年間同じ教科書に法改正を加えて使っていました。
理由は上記対策①の情報一元化に関連して、教科書への書き込み量が多く、捨てる事が考えられなかったからです。
・邪道③:サブテキストとしての判例、縦断等は買わない(メイン教科書での基礎学習を重視)
「やる暇がなかった」というのが正直なところですが、基礎を押さえていれば判例は解けるし、縦断は頭に入るものだと考えたため、基礎学習を意識してひたすらメイン教科書の復習に取り組みました。
動画学習としては、大原の金沢先生の無料動画しか見ていないのですが、その中でも過去問や模試の解説で先生のおっしゃっていた「知識のドーナツ化現象」という言葉が印象に残っています。
5択のうち見た事のない難問が1択2択あっても、それ以外は基礎ができていれば必ず解けると信じて、基礎を疎かにしないよう意識していました。
実際、4年勉強してきても基礎問題で間違えるのが常でしたので、満足に消化できないものには手を出さない、をモットーにメイン教科書を常に持ち歩いて勉強していました。
・邪道④:6月から勉強開始
4年目5月までは内容が被るFP2級、3級の勉強をしており社労士のテキストを開いて勉強したのは直前3ヶ月のみでした。長期受験生だからこそできる技ですが、漫然と勉強を続けるのは辛いですし、思いっ切って一旦社労士試験から離れてみるのもアリだと思います!
FP2級ですと、確定拠出年金と中小企業退職金共済について社労士の市販テキストより詳しく学べたので学習してよかったと感じました。また、細かい数字などはどうせ忘れるので、7月までは基礎的な数字を問われる問題を落としても気持ちは落とさず、直前1、2ヶ月で数字は暗記するようにしました。
・まとめ
まとめると、毎日続けなければいけない勉強を如何に自分がストレスなく行える勉強方法を見つけるか、が大切だと思います。できない問題が続くと落ち込んでしまうため、そういう時は単語カードでの基礎学習に戻る、解くのではなく答えを見て周辺事項とあわせてテキストやカードに書き込む、眠い時はひたすらテキストに線を引くだけに徹する、というような学習方法に切り替えていました。長期の学習にはメンタルのコントロールが必要ですね。
①テキストが重くてデジタル化したかった…
②4年間を通して土日にあまり勉強できなかった
土日の勉強がずっと苦手でした。
むしろ平日より勉強時間が少なく、やってもカフェで2、3時間程度でこの点は今も反省して改善中です。その分、平日は通勤電車で約2時間、帰宅後も毎日必ず勉強はするようにしていました。
残業は月平均20時間以下と比較的恵まれた環境にあったおかげですが、平日はそのまま仕事モードで勉強にも取り組めました。土日にまとめて勉強するのがやはり理想だと思うのでオススメはしませんが、平日に勉強できる人はメリハリをつけるのもアリかと思います。
独学なのでシンプルな勉強方法しか行っておらず参考になるような内容はあまりないかと思うのですが、記載しておきます。
<短文化・情報一元化で乗り切る、忘れないうちに反復して書き込む、インターリーブ学習(同時並行)>
まずは「5.勉強方法で上手くいったと思ったこと」の邪道①より
①:短文化・情報一元化で乗り切る
過去問等で得た知識は全てメイン教科書に書き込みました。あの過去問の長文を短くテキストに書き込む事で、過去問自体の繰り返しが少くても合格に繋がったと思います。また、ただ読んでいると目が泳いでしまうため昔からマーカーを引くのが癖で、よく間違える箇所は赤ボールペンや赤サインペンでさらに目立つようにしています。(色々と汚くなり過ぎた結果、見られてしまうのが恥ずかしくてスコレーカフェで勉強できないという事態に陥りました笑)
テキストが複数あると参照したい箇所を探すのが面倒なので一元化するよう意識しましたが、流石に4年かけていると書き込む場所がなく、また表などにもまとめられないため、少し大きめの単語カードを購入し、そちらに自分で横断的な事項をまとめたり、よく間違える部分を書き込みました。また教科書自体にも大きなポストイットを貼り書き込む場所を無理矢理増やしたりしています。
そしてメイン教科書すら長文に思えてきた結果、気が乗らない時はTACの単語カード(現在はアプリに移行)で最低限の学習をしていました。大した工夫ではありませんが、自分の取り組みやすい学習方法を如何に見つけられるかが鍵でもあるかと思います。
②忘れないうちに反復して書き込む
また先述したように自分は問題を解く、という事にスレトスを感じがちな人間なので、基本的にある程度まとめてテキストを読んでから問題を解くようにしていました。また問題を解いたら、なるべく翌日までに回答を確認してテキストに書き込みを繰り返しました。
③インターリーブ学習(同時並行)
それから、大きく労働法(労基・安衛・労災・雇用・徴収・労一)と社会保険(健保・国年・厚年・社一)の2つに分けて、同時並行で勉強するのがオススメです。市販テキストも大体この区分で2冊に分かれているため、電車のなかでは健保・年金、家に帰ってからは労働法というように勉強していました。(2冊常に持ち歩くのは無理だった事もあり…)
一年目は労基から順に勉強しがちだと思うのですが、そうすると試験直前に労働法が頭から抜け落ちてしまいます。私は最近知ったのですが、「インターリーブ学習」と言って、あいだに関連はあるけど違う分野の学習を混ぜてランダム要素を取り入れる方が学習効果が高いそうです。
①一夜漬けならぬ3日漬けで本番を迎える
休日の勉強ができない自分ですが、直前8月だけはスコレーカフェや図書館を利用してニ日間勉強するようにしました。
その結果…子供の頃のじんましんが再発するという事態に襲われてしまいました…平日働いている社会人が土日も休まず勉強すると体を壊します。そこで3日漬けです!幸い社労士試験は8月ですので、遅めのお盆休みとして試験直前に有給をとって、試験前3日間で詰め込みました。
3日でできたことは、「教科書1周、自作の単語カード2周、法改正、選択対策本(途中までしか終わらず)」だけでしたが、この最後の追い込みがなければ合格はあり得ませんでした。社労士試験はなんだかんだ暗記のウエイトが大きいので、それまでの予想問題は散々な出来でも、追い込みの最後の詰め込みでグッと伸びたと思います。これが最後まで諦めてはいけない理由のひとつでもあります。
②選択対策
社労士試験の鬼門が午前中の選択問題です。
午後の3.5hの択一問題のボリュームに比べれば一見大した事ないように見えますが、足切りが心底恐ろしく直前まで対策問題を解きました。誰も見た事がないような数字や文言が出題される事が度々だと思うのですが、そのような問題で問われているのは、条文を正しく読み取り選ぶ事のできる国語力・論理的思考力や、そもそも社労士試験の一分野となっている「一般常識」力が試されているのだと思います。
法学部で学んだ人なら条文を読み慣れていてあまり難しくないのかもしれないのですが、自分は各法律の第一条しか触れた事がなかったので、岡武史『比較認識法(R)で選択対策(略、TAC出版)』で条文や通達の文言の使い方を意識するようにしました。また、わからない問題にぶつかった時は、各法律の趣旨や目的、これまでに得た知識から何となくあっていそうな雰囲気(=国語的・論理的に考えて一番常識的な選択肢)を読み取るよう意識しました。
論理的とは?という話なのですが、法的三段論法というより、ビジネス書の「空雨傘」の思考、もっと簡単に言えば、そもそも社労士試験の法律は労働者を保護する事が目的という基本に立ち返って、それに合致する選択肢を選ぶよう心がけました。
使った参考書一覧を記載します。独学なので、全部で9冊のみです。
・4年目も使ったもの
①資格の大原 社会保険労務士講座『読めばわかる! 社労士テキスト 2020年対策 』
②岡 武史『合格革命 社労士 4択式問題集 比較認識法(R)で選択対策 2023年度 [これだけは絶対に押さえてほしいを240問にぎゅっと凝縮!](TAC出版)』
③TAC出版編集部『無敵の社労士 (3) 完全無欠の直前対策 2023年目標 [法改正 一般常識 判例 選択式対策 直前対策に必要なものがすべてこの1冊に!!](TAC出版)』
④TAC社会保険労務士講座『本試験をあてる TAC直前予想模試 社労士 2023年度版 [法改正対応 予想問題2回分+選択式プラスワン予想1回分](TAC出版)』
・3年目
⑤TAC株式会社(社会保険労務士講座)『2022年度版 よくわかる社労士 別冊 合格テキスト 直前対策 一般常識・統計/白書/労務管理 (TAC出版)』
⑥社労士V受験指導班『社労士V2022年度版 選択式・労一を切り抜ける! 厚労省パンフレット・リーフレット攻略問題集』
・2年目
⑦上記5のTACの『無敵の社労士』(1)〜(3)を購入。当時付録として付いていた単語カード(現在はアプリ)目的でした。
・1年目
⑧過去問:1年目に買った5年分の過去問を3年目まで使用(結局3年かけて2周のみ…)
⑨問題集:問題嫌いなので1年目だけしか使いませんでした
・その他
⑩過去問ランド:3年目のみ使用でしたが、263回×10問=2630問解いていました!
⑪大原の金沢先生の無料動画:動画学習が苦手なのですが、大原の金沢先生のものだけは比較的耳に入りやすく感じYouTubeの無料動画をジョギングや家事の合間に見ていました。また、A(こういう理由がある)だからB(このように規定されている)というような理由づけを説明してくださるので、記憶に残りました。業界では知らない人はいない超有名人なだけあります!A→Bのロジック、また本試験での解法テクニックやゴロといったものは市販本には書かれていない予備校特有のものだと思いますので、独学の人にこそ予備校の動画視聴をオススメします。
予備校に通うことをオススメします。(もちろんWEBもOK)
通っていない自分だからこそ、予備校をオススメします。まず市販本は予備校が出版しているものでも情報量が少ないです。自習会で予備校を利用している受験生と話すと、知識量の差を感じざるを得ません。その分基礎を大事にすることで結果的に合格したから良いものの、知識が足りないのではないか?勉強法が間違ってるのではないか?といった不安が常に付きまとっていました。
当初は金銭面の問題で始めた独学を意地になって続けてしまいましたが、予備校を利用していればこんなに時間をかけなくてよかったのに…この時間があればもっと色んな事ができたのに…と思わざるを得ません。金額はどこも年間20万以下、しかも雇用保険被保険者(初回1年、受給経験があっても3年以上の加入要件なので会社員は大抵対象となります)なら、特定一般教育訓練給付の適用でここから40%オフになります(この数字全部試験に出ます!)ので、今から始める受験生は迷わず予備校を使う事をオススメします。
ただし、ここまで書いておきながらですが…事務系IT系問わず、周りから社労士ってどう?と聞かれる度にコスパが悪いからオススメしないと答えています。3、4年目の直前期7、8月はメンタルも生活も荒んでいましたし、周りの受験生からも度々そんな声が聞こえます…
社労士試験オススメ度 ★☆☆☆☆
勉強を始めた当初は社労士としての転職を視野に入れていましたが、合格に時間がかかった為、今後はまず身近なところからはじめ、(勤め先が小さいので簡単な労務QA、障害者手帳を持つ友人の手助け等)、これまでの知識・経験を忘れないよう社労士の資格を活かしていくつもりです。また次のチャレンジとしては本職のITに関連してまずは基本情報技術者試験、東京自習会で美術鑑賞のファシリテーターをしていますので美術検定にチャレンジしようと思っています。
最後にまとめるとしたら、強調したいポイントは2つです。やってもやっても抜けていく基礎知識をそれでもめげずに勉強を諦めないこと、それから自分にとってストレスの少ない学習方法を工夫することです。その為に、励ましあい教えあえる仲間を東京自習会で見つけるのがオススメです!自習会で一緒に勉強し励ましてくださった皆様、本当にありがとうございました!!
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