こんにちは。
コミュニティマネージャーの志水です。
2024年1月に「ものがわかるということ(著:養老 孟司)」を読みましたので、その感想とレビューをします。
養老孟司が、物事の考え方や理解の仕方についてわかやすく説明している本です。
「本当に理解するってどういうこと?」という疑問に対し、物事をどのように捉え、本質的に理解するかについての独自の見解が展開されています。
読者に対し、理解を通じて新たな自由を見出すヒントを提供する内容となっています。
目次は次のようになっています。
本屋さんをぶらぶらと見ていたところ、背表紙のシンプルさが逆に際立っていたのがこの本でした。(白背景に黒文字のみ)
前書きに、「若い頃は、勉強すればなんでも《わかる》と思っていた」と書かれており、今の自分に何となく当てはまっている気がしたので、購入してみました。
私は、いかにもビジネス書という感じの本が少々苦手なのですが、この本はそう言った雰囲気はなく、哲学書っぽさを感じたのも、手に取った理由の一つです。
第二章に書かれている、「好きなことははっきりしているようでしていない」という言葉が印象的でした。
最近は「好きなことを仕事にしよう」という風潮が強いように思いますが、著者曰く、それは”自分のことを完全に理解していて”、かつ”自分がこれからも変わらない前提”で考えているとのこと。
そもそも自分は変化していくものなのだから、「いつかぴったりの適職が見つかるはず…!」とか、「いつか自分のやりたいことが見つかるはず…!」と考える前に、”やらなくちゃいけないことを好きになればいい”と、自分を変える方向に持っていったほうが生きやすくなると書かれていました。
第三章に書かれている「すべてが意味に直結する情報化社会」を読んでハッとしましたが、仕事をしていると、常に合理性が求められるので、プライベートでも「これをやる意味はなんだろう?」ということを常に考えてしまいます。
例えば、趣味について誰かと話している時も、「何のためにそれをやっているの?」と聞いてしまうし、よく相手からも同じ質問をされます。
世の中には、意味のないことの方が多いにもかかわらず、何か意味を見つけようとして、分からないと悩むのは無駄なように思えます。
他の本では「意味のないことが人生を豊かにする」とも書かれていました。
仕事のため、資格取得のためといった未来志向ではなく、ただ今を楽しむことが、自分を解放し幸せにするんだということです。
言葉でうまく表現できないのがもどかしいですが、この本を読むと、誰しも何かしらの気づきがあるはずです。
この本を読んで、第一に「めちゃくちゃ達観してるな」と感じました。(文章からも、著者が自分をとても俯瞰して見ていることが伝わってきます)
一種の諦めというか、なるようにしかならないといった雰囲気も感じ、自分の選択に悩んだ時や人生につまづいたときに、また読み返したいと思いました。
最後に、本の帯に書かれていた言葉も印象的だったので、共有しておきます。
「世界をわかろうとする努力は大切である。でもわかってしまってはいけないのである。」
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