活動報告

2022/10/04 更新

5:兄たちのミラクル!:1

 このストーリーは、出雲で育った3人の

大親友の出会いと別れの実話です。その1

人が随想として残しました。


【随想:天国の桜の下で会おう:1】


《3人は出会い卒業時に別々の道に!》

 昭和34年3月に出雲高校を卒業した私は

小学から一緒の浩二君と、中学で一緒にな

った英範君の3人で3月末、卒業したばか

りの高校に赴いた。

 離れ離れになる前に3人で会おうという

浩二君の提案だった。《ー中略ー》

 3人は3年間学んだ校内の思い出の場所

を歩き回り記念の写真を取り合ったのち、

体育館の横にある桜の木の下に座った。

 突然、浩二君が「10年後の3月10日に、

この桜の下で会おう」と言った。

 《ー後略ー》


 それから瞬く間に四年が経ち、夏休みに

帰郷し浩二君を訪ね、連立って土曜夜市を

楽しんでいた。そこへ英範君の近所の下級

生が、英範君が昨日亡くなったと、「えっ!

それは本当か?」と、葬儀の場所を教えてく

れた。《ー中略ー》

 道を訊きつつ辿り着いた時には既に読経

が始まっていた。私は英範君の遺影をじっ

と眺めて語りかけた。「昨年の夏が判って

いたなら…」、そこまで言うと熱いものが

胸を突き上げた。

 6年前に父が他界した時に流さなかった

涙が止めどなく流れ落ちた。

 《ー中略ー》

 

 続いて焼香に立った浩二君は、「何だ、

お前!高校を卒業した時に、桜の木の下で

三人で誓った事忘れたのか!あれから未だ

4年しか経っていないのに・・・」。

 そう言った途端、人前憚らず泣きだした。

暫くして「胸が張り裂けるようで、これ以

上話す事ができない。お前が好きだった、

灰田勝彦の「鈴懸の径」を歌う。そう言って

歌いだした。

 「友と語らん鈴懸の径通いなれたる学び

舎の街…」。歌い終わるや「安らかに眠って

くれ」と涙ながらに境内に走り出た。

 《ー中略ー》


 出逢いがあれば必ず別れが訪れる事は判

っていたものの、こんなに早く訪れるとは

予想もしなかっただけに悲しみは大きかっ

た。「俺はお前の分まで長生きするからな。

 10年後の再会は駄目になったが、「50年

後に天国の桜の下で会おう!」と読経が流

れる中、私は心の中で手を合わせた。

《幸田蒼生:ノンフィクション天国の 桜の

 下で会おう より》


【浩二さんが葬式で歌った】

★「鈴懸の径」灰田勝彦

https://youtu.be/08XocsU1rGM

★「鈴懸の径」鈴木章治・ザピーナツ

https://youtu.be/Rhk6ah-x-90

※写真をクリックすると拡大します。

《写真は左から高校時代の英範・悠・浩二》

コミュニティ基本情報

コミュニティ名 終活ストーリー:過去・現在・未来
コミュニティの種類 サークル
代表者 asa
ジャンル 生涯学習 / 勉強・教養
キーワード 長期 / シニア
活動エリア 島根県出雲市
主な活動日・時間 不定期
活動費 無料
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