「クリーンミート」ポール・シャピロ著、鈴木孝子訳、日経BP、2020年から引用
<引用開始> P20 9行目から
動物を丸ごと飼育せずに畜産物を生産することを思いついたのは、モダンメドウが最初というわけではない。そういう変化が必ず起きることは、想像力豊かな多くのSF(その最高峰はおそらくマーガレット・アトウッドの『オリクスとクレイク』(畔柳和代訳、早川書房)だろうが、『スタートレック』はそれより早かった)によって、さらには科学やSF以外の分野でも、先見の明のある多くの思想家によって、予想されてきた。西洋史上最も重要なある人物も、そうした思想家のひとりだ。
「人類は胸肉や手羽肉を食べるために鶏を丸ごと育てるなんてバカなことはやめて、それぞれの部位にふさわしい培地で別々に培養するようになるだろう」。1931年のエッセイ「フィフティ・イヤーズ・ヘンス(50年後)」でウインストン・チャーチルはそう述べている。実現の時期は数十年ずれたものの、のちの首相チャーチルは、モダンメドウがステーキチップスを実現した技術を、驚くべき先見性で予見していたのだ。エッセイはこう続いている。「そうしてできた新たな食品は、当初から天然物と見分けがつかないだろう。そしてすべての変化は、気が付かないほどゆっくりと進行するだろう。
チャーチルは、人類が何千年もの間受け継いできたタンパク質の入手方法に大変革が起きると予想したのだ。馬による移動が自動車の登場によって歴史書のかなたに追いやられたように、人間とあらゆる動物との関係も技術の進歩によって根底から変わると、チャーチルは確信していた。だが、そのチャーチルでさえ、そんな予測をした初めての人間でなかった。早くも1894年には、当時の高名なフランス人科学者マルセラン・ベルテロが「2000年までに、人間は殺した動物の肉ではなく、実験室で育った肉を食べるようになるだろう」と予言していたのだ。そんなことが現実的に可能だろうかと記者に問われて。ベルテロは答えた。「動物を育てるより安く簡単に同じ素材を作れるとわかれば、当然そうなるでしょう」。チャーチルよの予測と同様、ベルテロの予測にも時間的なずれはあったが、そのずれはさほど大きくない。
<引用終わり>
コミュニティ名 | お茶の間科学「サイエンスカフェ交野」 |
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コミュニティの種類 | 市民活動団体 |
代表者 | 入江豪宣 |
ジャンル | 子育て・教育 / 環境・農業 / 勉強・教養 |
活動エリア | 大阪府交野市 |
主な活動場所 | 主に、交野市のゆうゆうセンター、交野市の青年の家。 |
主な活動日・時間 | 朝 毎月第3日曜日 午前9時半〜11時半頃まで。
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活動費 |
有料 資料・会場費・お茶代の実費として、1回当たり 会員¥200 一般¥300(会員の年会費¥500)
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